Novation(ノベーション)から発売されている
グルーブボックス、CircuitTracksをレビューします。
CircuitTracksは多機能なグルーブボックスで
気になっている方も多いのではないでしょうか。
実際に使ってみた感想を書いていますので、
購入を考えている人は参考にしてくださいね。
CircuitTracksの構成
まずCircuitTracksの構成をご紹介します。
シンセサイザー ×2トラック
外部MIDIトラック ×2トラック
ドラム ×4トラック
合計 8トラックのグルーブボックスです。
シンセサイザーは2トラックのみ。
NovationシリーズのNOVA系のリキッドサウンド健在といったところでしょうか。
外部MIDIトラックは2トラックあり他の機器を操作することが想定されています。
シンセに関しては全体的に綺麗なシンセサウンドです。
が、荒々しさや太さなどはないので外部音源でまかなうと言ったところでしょうか。
ユーザーに委ねられているといった印象です。
グルーブボックスといっても1台完結ではなく他の機器を使ってくれよなという
姿勢が僕は気に入りました。
CircuitTracksの特徴
それではCircuitTracksの特徴をみていきましょう。
特徴は以下になります
・コンパクトなサイズ
・直感的な操作のシーケンサー
・外部MIDIトラック
・外部入力端子
・ディレイ・リバーブ
・マスターフィルターがイカすぜ!
・液晶画面なしのシンプルなデザイン
一つずつ見ていきましょう
コンパクトなサイズ
CircuitTrackのサイズはW240mmxD210mmxH45mmです。
幅は24cmなのでけっこうコンパクトです。
厚みも5cmもないので持ち運びに便利です。
グルーブボックスのなかでは小さい方に入るのではないでしょうか。
なかなか触りやすいサイズ感です。
ちなみにパッドが光るのでライブ時の視認性を考えて作られています。
バッテリーも内蔵しているのでアダプターなしでも4時間程は使えます。
サイズ感や使用感ですが、このあたりよくできています。
直感的な操作のシーケンサー
CircuitTracksはシーケンスを組むのが恐ろしく簡単です。
CircuitTracksの何が一番素敵かと聞かれたらココかもしれません。
触ってみないとわからないかもしれませんが
ステップシーケンスを組むのが恐ろしく簡単です。
再生中にステップ入力をポンポンポンと押すだけでシーケンスが組めてしまいます。
なんて簡単なんだろうか!
QYシリーズなどと比べても簡単です。
ステップシーケンスを組むのにエディットモードに入るとかそういうのがないのです。
再生中に速攻でシーケンスを組み替えるといった感じです。
このあたりは特筆すべき点です。
とくに古いシーケンサーに慣れた方ほど驚かれるのではないでしょうか。
もちろんクオンタイズ機能もあるので適当に押せばちゃんとシーケンスが組めます。
クオンタイズOFFもできます。
後述しますが、アルペジエーターはないのですが
これだけ簡単にシーケンスが組めるのであればなくても全然OKですね。
外部MIDIトラック
CircuitTracksは外部MIDI機器用のトラックが2つあります。
パネルにもMIDI3、MIDI4とありますがこれが外部用のトラックでシーケンスが組めます。
この発想も良くて、CircuitTracksで完結させるのはなく他のマシンを使う事を
想定しているのが良いです。
僕なんかはグルーブボックスが欲しいというよりはシーケンサーが欲しいという
理由でCircuitTracksを買いましたが、この外部MIDI機器を使うという考えに共鳴して
導入したところがあります。
アナログシンセを繋いでいますが、かなり快適です。
外部入力端子
CircuitTracksは外部入力端子が付いています。
CircuitTracksにディレイとリバーブが付いていますが
8トラック全てにかけることができます。
つまり外部MIDIトラックで操作している機器をCircuitTracksの
入力に戻してディレイやリバーブをかけるといった使い方を推奨しています。
なので、古いアナログシンセなんかもCircuitTracksの入力にいれたら
ディレイやリバーブがかけれるのでわりかしまとまったサウンドになりオススメです。
ただし、音量の差があったりするので調整は必要です。
CircuitTracksで外部の音を加工する発想も素晴らしいなと思います。
後述しますが、マスターフィルターもなかなかに良いですよ。
ディレイ・リバーブ
CircuitTracksにはディレイ、リバーブが搭載されています。
内部のシンセやリズムマシンや外部入力の音にもディレイやリバーブがかけられます。
各トラックごとに調整できるので便利です。
特にエフェクターを搭載していない昔のアナログシンセに手軽に
ディレイやリバーブがかけられるのは良いですね。
マスターフィルターがイカすぜ!
CircuitTracksはマスターフィルターがついています。
これ全部の音がダイナミックに変化するので最高にイカすと思っています。
僕は相当気に入っています。
大胆に音を変化させるのでライブなどでも重宝しそうな技です。
好みもあるかもしれませんがCircuitTracksの大きな魅力のひとつだと思います。
液晶画面なしのシンプルなデザイン
CircuitTracksのパネルを見て気づいた方もいるかもしれませんが液晶画面が全くありません。
これ現代のグルーブボックスではなかなかないのではないでしょうか。
どうやって情報を表示するかというと、、、!細かい数値は出てきません(笑)
直感的に触れよなってことでしょうか?
例えばエフェクトのかかっている数値等は光の強さで表現されていたり
さすがにBPMに関しては8×4のパッドに無理やり表示されます。
BPMの数値は見たいですし(^^;)
それにしても潔いデザインでこれは日本人にはない発想な気がします。
考えた人はすごいですね。
液晶なくてもなんとかなるのがスゴイです。
CircuitTracksを使った率直な感想
まだまだ紹介しきれていないところもありますが
ひとまずCircuitTracksを触った率直な感想です。
「直感的でおもしろい!」
CircuitTracksを一言で表現すればこのような感想になります。
なんとなく触っていけば「あーそ-いうことね!」ってわかっていくシステムです。
個人的には開発者の設計思想がすごいなと思っています。
CircuitTracksの良い所、悪い所
CircuitTracksの良い所、悪い所を書いていきます。
ただし、これは個人の主観が入りますのでその点に注意してください。
それではいきます。
CircuitTracksの良い所
良い所は上記でもだいぶ書きましたが
特筆すべきはやはり直感的に速攻で組めるシーケンサーでしょう。
シンセフレーズはもちろん、リズムトラックも恐ろしく簡単に組めてしまいます。
編集機能にしてもコピーや消去も簡単にできるので思った瞬間にできるのがかなり良いです。
CircuitTracksの操作に慣れると他のマシンでシーケンス組むのが億劫になりそうです。
CircuitTracksの悪い所
これ実はありまして。悪いところというか、、、残念なところです。
それは、、、トランスポーズ編集ができないんですよ。
例えば、シンセ1で作ったシンセフレーズを1音ズラして別パターンにコピーとかできないんです。
1音のトランスポーズ編集ができません!
最初「え?なんでや?」と思いました。
めちゃくちゃ説明書見たり、Novationチュートリアル動画見たり、
ユーザーさんの動画も見ましたが・・・・
あれれれ??
1音トランスポーズができない。
もちろん2音とか、半音もできません。
・・・ここが残念でならないのです(涙)
海外の掲示板でもこのことについては触れられていました。
しかし、この情報があまりにわからなかったので書いておきます。
ただし、アップデートで改善できるような気がしますので要望は出そうかと思っています。
ちなみにこの記事書いた時点ではVer2.0です。
ちなみにルートコードという機能はついているので
任意のコードにチェンジしていく機能があったり
Shiftを押しながらオクターブスイッチで一発で1オクターブを上げたり、
下げたりはできるんです。
この1発で1オクターブ変調できる機能は何気に便利だったりします。
なぜこんなことができるのに!
編集で1音トランスポーズができないのか・・・?
惜しい、、惜しいよCircuitTracks。
その他に悪い所はあるかもしれませんが、当方はこのトランスポーズ編集が残念でならぬのです。
CircuitTracksが向いている人
色々と書きましたがCircuitTracksが向いていると思う人を書いておきます。
- 直感的な操作感を求めている人 LIVE用シーケンサーが欲しい人
- トラック少なめでOKな人 特にシンセは2トラックなので少ないですね
- テクノやミニマル、アンビエント向けですね。歌モノはキツイ気がします。
- DJやトラックメーカー エフェクトやマスターフィルターもありオススメです。
特にリズムトラックを速攻で組めるのは強力な武器だと思います。
まとめ
まだまだCircuitTracksについてご紹介するところはありますが今回はこのへんで。
シンセのエディット(音作り)はどうやってやるのか?
シーケンスのエディットや保存のやり方などまだご紹介できるところはたくさんあるので
ボチボチと書いていこうと思います。
結論としてはこの記事を読んで
「おぉ!CircuitTracks合ってそう!」と思った方は買うのをオススメします。
5万円台でこのシーケンサーが買えるのはかなり安いと思います。
↓僕はサウンドハウスで買いました。こちら早くて確実でオススメ。変な所で買わないようにしましょうね